時計じかけのオレンジ



あれは忘れもしない高校3年の秋。
一番多感な時期にこの映画を観てしまい、受けた衝撃は計り知れない。
それまで内向的だったボクの性格を、いとも簡単に攻撃的にしてしまった。
ベートーベンの旋律に乗せて行われる残虐非道な行動。
捕らえられてからの人格改造。
社会に放たれてからの贖罪の日々。そして・・・


このラストシーン。初めて見たときから、ボクはずっと勘違いをしていた。
あのラストは、彼が社会に飼い殺される運命の”時計じかけのオレンジ”と化して終わる。
そう言う意味だと思いこんでいた。
違うやん。初めて見てから約10年、最近見直してみて初めて気付いた。
彼は、すっかり元の彼に戻ったんだよ。
ラストで見せる彼の歪んだ顔、そうか、そういう事だったのか・・・
その後の彼の行く末、待つのはより大きな破壊、破滅。
彼は、一層壊れたのだが、より凶くなったとも言える。
否、彼は一度として善くなったことはない。
刑務所内での人格改造により、一度は選択の自由を奪われ、
出所してから、それまで犯した罪と否応なしに対面することにより、
彼は”死”を選択した。
その選択により、彼は元来持っていた凶暴性を寄り増幅させた存在へと生まれ変わり、
より大きなフィールドでの悪へと昇華したのだろう。


キューブリックがこの映画で言おうとしたことは、そんな簡単なことではないんだろうけど、
とりあえず、これが26歳の今のボクが感じている感想。


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