
初老に差し掛かり、腕の衰えを感じリタイアを宣言した殺し屋。彼が殺し屋を廃業して初めて受けた仕事は、ベビーシッターだった。しかしその子供は、30年間一度も自分の家から出たことのない大きな男だった!彼を外に連れ出し、外の世界を見せて回るが、そこに殺し屋の仲間だった奴らが、彼らを狙い始めて・・・イギリス映画らしい、ちょっと間の抜けたようなテンポが心地いい。大きな子供役のクリス・ペンが可愛すぎる。殺し屋役のおじちゃんはその対極で渋すぎるし。物語は、思ったとおりに進んでいくが、突然、予想外の展開を迎える。ここからネタバレ→(マウスでなぞれば文字が出てきます)もし、ババが彼と出会わなかったら、一生あの部屋の中で安全に暮らせたかもしれない。でも、そんな人生に何の意味がある?ババは彼と出会うことで人生の意味を知り、一生分の楽しみを知り、笑顔で死んでいった。外に出た彼は、彼に触れた人たちの心に残り、ずっと生き続ける。それだけでよかったなんて言わないけど、少なくともあのまま一生を部屋の中だけで過ごすよりは幸せだったはずだ。
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この映画は僕にとって、かけがえのない宝物のような映画。海を愛し、海に消えゆく男ジャックと、彼らに惹かれ、陸に残る女ジョアンナ。そして、彼らをつなぐ海の男エンゾ。この映画ほど、人間が海から生まれ出た事を感じさせてくれる映画はない。2時間49分の回帰。数々のエピソードが積み重ねられ、そして、海は我々を遠く遙か産まれた場所へと誘ってくれる。ジャック。彼は生まれながらにして海に生きた。純粋で、透明で、イルカと自由に海を泳ぐその姿は、彼が陸にいることを不自然にさえ見せる。その通り、彼は、海に消えゆく。 ジョアンナ。彼女は生粋のアメリカ人。普通の生活、普通の仕事。アンデス山脈で起きた水難事故、そこで出会った一人のダイバー。二人は一目で恋に落ちる。やがて再会する二人。そして結ばれ、彼女は母となる。しかし、彼女を置き去りに、海へ消えようとする恋人。彼女は彼にこう言う。"Go and see my love." エンゾ。二人をつなぐ男。ジョアンナがジャックの母なら、彼はジャックの父だ。ジャックをフリーダイビングの世界に誘い、彼に本当の居場所を伝える。その姿は、強く、たくましく、しかし、どこか寂しい。彼は、ジャックのように、海に生きたかった。 男にとって、女性は海であると言う。フランス語で、海は"mer"、母親は"mere"。しかし、この映画での海は、海を愛する二人の男である。女性は、むしろ、海に消えようとする男を引き留める陸のような存在に見える。海に憧れ、深く深く、海に抱かれようとする男たち。海という母性を持った女性でも、彼らを止める事は出来なかった。彼が海へ帰った理由、母となった恋人を陸に置き去りにした理由。それは、愛ではない。愛を越えた感情を、海に対して抱いていたからこそ、彼らは海に消えた。 深い深い、偉大なる青。女はそれになりたいと願い、男はそれに抱かれたいと願う。 |
日本で今一番、家族揃って感動できるアニメは、ジブリの映画でも、ディズニーの映画でもない。間違いなくクレヨンしんちゃんだ。前作の「モーレツ!オトナ帝国の逆襲」は本当に傑作だった。失われた70年代の高度成長時代の日本の懐かしさを武器に大人たちを虜にしてしまったケンちゃんチャコちゃん。両親を助けるために、オラたちには父ちゃんと母ちゃんが必要で、オラは大人になりたいんだ!と力説したしんちゃん。今回も、やってくれます。そして、今回は人の命の尊さを尻、いや知り、家族の絆を感じます。戦国時代にタイムスリップしたしんのすけ。そこで又兵衛さんというお侍を助ける。彼が仕える城は、隣りの大国に攻め込まれ、その殿様は和平の条件として姫を要求する。しかし、姫と又兵衛は結ばれない恋に落ちており・・・ってこれが子供向けのアニメの話か?(笑)いや、ホントに、なんだろ?この感動は!言葉にできないんですよ、この感動、温かさ、笑い、そしてラストに訪れる無情の別れ。映画館で子供たちと一緒に笑って笑って、そして、思いっきり泣いて。自分に子供がいたら、間違いなくこれを見せる。そして一緒に笑って、泣きたいな。今まで子供なんて欲しいと思ったことはないけど、これを観て、一緒に笑える子供がいないって事に、少しだけ淋しくなったかも。 |
実は崔監督の作品を見るのは初めてなんだよね。なんとも、のんびりしたテンポで、刑務所の中の様子を描写していく。特に何が起こるわけでもなく、ただ、刑務所の中のなんでもない出来事を、山崎努扮する「ハナワ」の視点から綴っていく。罪を償うために入っているはずの刑務所。様々な規律に縛られ、個人の自由など剥奪された世界のはずなのに、そんな中でも、いろんな楽しみが存在する。それを観ていると、その生活が非常に羨ましくなってくる。単調な日々の繰り返しの中で、普段は気付かない些細な事柄に気を向けられるようになる。日々、仕事に追われ、責任を感じ、がんじがらめになって暮らしている今の日常と比べると、どちらが幸せな生活なんだろう?刑務所にいる彼らの生活を見て、今の自分を見つめなおす。幸せを感じることが出来るはずの些細な事柄に、気付かずに過ごしてしまう。そんなスピードの中で何も気付かずに生きてしまっている今の自分を。
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一見して二つの独立したような話に見えて、ホンの少しだけ接点のある不思議な恋の話。凄くお洒落なドラマを見せられたような感じだけど、僕は好きじゃないなぁ。自分勝手な奴らが、自分勝手に話を進めて行くような映画は。特に金城武。女なら誰でもええんやー、でもメイが好きやったんやー、けどあの金髪女もええけどねー。ってお前どないやねん。他にも、勝手に人の家に入り込んでいじくり回すフェイ・ウォンとか、それに気づきもせずパンツ一丁で部屋でくつろぎ、モノに話しかけてる怪しいトニー・レオンとか。個人的に大嫌いなキャラばっかり出てきて、これまた僕の嫌いな惚れたはれたの世界を繰り広げてるんだから、好きになれるはずがない。でも、この映画にはちゃんと、それ以上の深みがある。一見しただけでは到底理解しきれない演出、俳優達の演技、画面には匂い立つような肉の質感が充満している。そんな濃いぃい生活に少しは憧れなんかも抱いてしまうわけで、特にトニー・レオンの生活。あんな悲しい思いはしたくないけど、あんな気楽で鈍感な生活をしてみたいとちょっとだけ思った。 |
