ファーゴ



娯楽に徹していた前作に比べて、今回は見事なまでに”人間”を描いている
真っ白な雪に覆われ、荒涼とした街に、点々と付けられていく赤い染み。
普通でいるために、どれだけ努力が必要か、
平凡でいることが、どれだけ幸せか、
一時も狂うことなく、人生の歯車を廻し続けることが、どれだけ奇跡的なことか。
  
たった一つの狂った歯車が、真っ白な街に軋みを生じさせ、気が付けば全部が狂っていた。
それは、決して元に戻ることはなく、狂気の渦は全てを飲み込もうとする。
  
”ファーゴ”と言う地名に込められた意味。
閉鎖的で、雪に閉ざされ、ただ広いだけのこの”FARGO”と言う場所。
この街には、遠い地に行きたいと願う人々が集い、そして、その人生を狂わせていく。
 
ファーゴと言う街で起こった誘拐事件。
小さな一つの嘘が、この街に紛れ込んだ立った一つの狂った歯車だった。
狂った歯車は、普通でいようと努力している人たちを歪ませ、
関わった歯車は全て取り除かれてしまった。
  
事件が終わった後は、元の街。平凡な生活。
ラストで語られる3¢切手の話は、平凡な生活の象徴だ。
あの先、その3¢切手が、どんな人生に影響を与える歯車になだろうか?
人が残していく、一つ一つの出来事は、常に他の人や自分の歯車となり、
多かれ少なかれ、影響を及ぼしていく。
その歯車が連なる先は、ファーゴ。遙か彼方に存在する地。


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